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蒸発率22.2%のクウェート原油6□と人工海水9□を用いて含水率60%のムース化油を上記のプロペラ撹拌法とギヤーポンプ油水循環法とで作成し、ムース化油の生成状況を観察した。
<調査結果>
?プロペラ援拌法の場合
撹拌1時間後から油層が黒色から茶色に変色し徐々に増粘し始める。この時点では油水の粒が容器の壁に飛び散っている。
撹拌3時間後になると、油層は完全にチョコレート色になり粘度が高くなり油粒の飛散がほとんどなくなる。ムース化油の作成は6時間経過した時点で終了した。撹拌終了の判定は後述するギヤーポンプ油水循環法で作成したムース化油とほぼ同等の粘度(640cSt,33℃)と認められた時点とした。
?ギヤーポンプ油水循環法の場合
油水を循環し始めて約15分後に吐出口から放出される油は茶色に変色し、徐々に増粘していることが観察された。
1時間後には吐出口から放出されるムース化油はチョコレート色になった。この時点でギヤーポンプの吸入口を底部に下ろして水層の確認を行ったが、容器中の全体がムース化油で水は観察されなかった。
循環2時間後にムース化油の粘度を計測した結果、640cSt(33℃)で前年度に作成したムース化油(プロペラ撹拌法)と比較しても、外見上、粘度ともほぼ同じと認められたのでムース化油の作成を終了した。
両方法により作成したムース化油を室内で約60日間(7月、8月)保存して観察した。
両ムース化油は表面の一部に高温のためか原油色が認められたが、油水の分離は認められず安定したムース化油であった。
以上によりムース化油作成に両方法とも良好なことが分かったが、作成時間との比較ではギヤーポンプ法が短く有利である。このギヤーポンプ法にプロペラ撹拌法を併用すれば、撹拌初期段階において、容器内の油水はギヤーポンプによる鉛直方向の運動とプロペラ撹拌による水平方向の回転運動を受け、混合が更に促進しムース化油作成の時間が短縮されることが予想されたので、C重

 

 

 

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